単体の性質
化学的性質
アルミニウムは両性金属で、酸にもアルカリにも溶解する。アルカリ性の水溶液では、以下の反応によって水が還元されて水素を発生する。:6 OH
− + 2 Al + 6 H
2O → 6 OH
− + 2 Al(OH)
3 + 3 H
2
ただし、生成する水酸化アルミニウムの溶解度積 ([Al
3+][OH
−]
3) は 1.92 × 10
−32 であり、ほとんど水に溶解しない。したがって、薄いアルカリでは皮膜が発生して反応が止まる。しかし、強アルカリ条件では水酸化アルミニウムが次式によって水溶性のアルミン酸を形成するため、反応は表面のみでなく内部まで進行する。:OH
− + Al(OH)
3 + 2 H
2O → [Al(OH)
4(H
2O)
2]
−
また、鉄の溶接にも使われているテルミット反応にも使われている。
機械的性質
アルミニウムは鉄の約 35 % の比重 (2.70 [g/cm
3]) しかなく金属の中でも軽量な方に属し、展性に富む。純アルミニウムは強度は低いが、ジュラルミンなどのアルミニウム合金はその軽量さ、加工のしやすさを活かしつつ強度を飛躍的に改善しているため、様々な製品に採用され産業界で幅広く活躍している(「用途」を参照)。アルミニウム合金は軟鋼などと違い、応力がかかった時の変形に降伏現象を示さない。それは侵入型固溶体である炭素によるコットレル雰囲気を持つ鉄合金とは違い、アルミニウム合金には置換型固溶体合金が多いことに起因する。よって、構造設計等の計算を行う場合には、材料力学では「引張応力」として「0.2 % 耐力」が代わりに用いられる。「0.2 % 耐力」とは、応力をかけた際の永久ひずみが 0.2 % になる時の応力である。ただし、アルミニウム合金には常温クリープと呼ばれる現象が顕著であり、どんな小さな力、衝撃でも数千、数万回と加え続ければひずみが蓄積して行きいつか必ず破壊されるという点で、鉄とは大きな違いを持つため、機械設計時には構造体の寿命計算等に厳重な注意が必要である。