特性
アンモライトの化学組成は多様で、アラレ石以外にも方解石、シリカ、黄鉄鉱やその他の鉱物が含まれる。殻そのものは多くの微量元素:アルミニウム、硼素、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、ストロンチウム、チタン、バナジウムを含む。結晶学的には斜方晶系である。モース硬度は4.5-5.5で、宝石としては非常に軟らかく、比重は2.60-2.85である。カナダの試料での屈折率(ナトリウム光、589.3 nm で測定)は、α1.522; β1.672-1.673; γ1.676-1.679; 二軸性負である。紫外線の照射により、黄色の蛍光を放つ。良質の標本では蛋白石のような虹色、特に緑色や赤色が見られるが、厳密には全てのスペクトル色が観察される。この虹色はアラレ石の微細構造に由来する。屈折で光を放つ他の多くの宝石と異なり、アンモライトの虹色は光の干渉 (物理学)|干渉によるもので、霰石を形成する薄い板状の積み重なった層からはね返る光である。層厚が厚ければより赤色、緑色となり、層厚が薄ければより青色、藍色となる。赤色と緑色が最もよく見られる色で、これは青色を放つ薄い層が脆い為である。新しく切り出された面でも、これらの色はさほど劇的なものではない。宝石としての価値を高めるには、研磨などの処理が必要となる。アンモライトそのものは非常に薄く、約0.5-0.8mmである。アンモライトは通常、灰色から茶色の頁岩、チョーク質の粘土、石灰岩などの母岩と共に産出する。凍結破砕作用はよく見られる。風雨に晒されたり、堆積物による圧密を受けることにより、ひびが入り、剥片化する。また、日照の長期被曝は白色化につながる。このひび割れは、「竜の皮」や「ステンドグラス」などと表現される市松模様の外観を呈する。より深部の鉱床から採掘されるアンモライトは完全に滑らかか、漣痕のような表面を持ち得る。 時折、保存状態良好の完全なアンモナイト殻が発見される。螺旋状の線が形取り、全体的な形はオウムガイに似ている。これらの殻は直径90cmに達し得るが、通常、虹色アンモナイト(黄鉄鉱化したものと比較して)は遥かに小さい。 ほとんどの化石化した殻では、それらの霰石が方解石や黄鉄鉱に置換されてしまうため、アンモライトをより貴重なものにしている。