性質
* 一様な平面のグラファイト(グラフェンシート)を丸めて円筒状にしたような構造をしており、両端はフラーレンの半球のような構造で閉じられており5員環を必ず6個ずつ持つ。
電場をかけると5員環から電子が放出されるため電界放出ディスプレイ|FED、真空蛍光ディスプレイ|平面蛍光管、冷陰極管のカソード(陰極)デバイスへの応用も研究されている。また、X線の発生源としての研究も進められている。
5員環の数が少ないため有機溶媒等には溶けず、超音波処理などにより分散するだけである(一部、極性の高い有機溶媒への分散は容易とされている)。
構造(6員環の配列や直径など)によってバンド構造が変化し電気伝導率やバンドギャップなどが変わるため、ケイ素|シリコン以後の半導体の素材としても期待されている。
銅の1,000倍以上の高電流密度耐性、銅の10倍の高熱伝導特性、高機械強度、細長い、などの特性がCNTの電子材料としての特長であり[栗野祐二『応用物理』2004年9月、 73、1212 。]集積回路などへの応用が期待されている[栗野祐二「カーボンナノチューブのLSIデバイスへの応用」『応用物理』2007年10月、76、1112。]。
半導体としてのCNTをトランジスタのチャンネルとして用いることで、高速スイッチング素子として用いられることが期待される。CNTはP型半導体的な極性を示す。
内部に筒状の中空空間を有しているため、様々な分子を内包させることが期待されている。燃料電池の電極などとして注目されている。
各種フラーレンを内包したピーポッドやTCNQ、カロテノイド、種々のポルフィリンなどの有機分子を内包したものが作製されている。
最近になって単層カーボンナノチューブ内部では水の融点が高くなり、常温常圧下でも氷を作ることが発見された。[プレス・リリース]
アルミニウムの半分という軽さ、鋼鉄の20倍の強度(特に繊維方向の引っ張り強度ではダイヤモンドすら凌駕する)と非常にしなやかな弾性力を持つため、将来軌道エレベータ(宇宙エレベータ)を建造するときにロープの素材に使うことができるのではないかと期待されている。
微細繊維の形をとる場合があるため、アスベスト状の毒性を示す可能性があると指摘されている。
ナノオーダーの1次元的物質故、原子間力顕微鏡のカンチレバー|探針やナノピンセットなどにも応用が期待される。
この他にも色々な性質を秘めているのではないかと期待され、さらなる利用価値を探して世界中で研究が進められている。単一の構造(カイラリティー[正しく読めばキラリティーであるがこう呼ぶのが慣例])を持ったナノチューブだけでは作製できていないため、現在では、CNTを数本並べて高電圧を印加することで、導電性のCNTを焼き切るという方法をとって、半導体デバイスとして利用している。また、過酸化水素中で環流させると半導体チューブは酸化され金属チューブのみに精製される。半導体デバイスや配線材料に利用するためには作製方法のブレイクスルーが必要であろう。遠心分離などを使い比重の違いから分離が可能ではある。近年は健康被害の可能性が取りざたされている。(詳細は以下、別項目に記す)