概要
一般的には、石英|珪砂、カリウム、炭酸ナトリウム|ソーダ灰というガラスの主成分に、酸化鉛(PbO)を添加して形成される鉛ガラスの一種のことを指す。ガラスの製造時に酸化鉛等を添加することでガラスの透明度と屈折率が高まり、その輝きから石英|水晶(クリスタル)のように透明なガラスになるということから、通称として「クリスタル」と呼ばれる。下記に述べる用途のような、高級・装飾向けのガラスとしてブランド認知・利用されている。
ただし、光学的に無色透明であるよりもわずかに青みを帯びた方が肉眼では「美しい透明」と感じがちなため、アルカリ金属酸化物などの着色剤を用いて調整する事が多い。酸化鉛がガラス全体の25%以上のものを、クリスタル(レッドクリスタル・フルレッドクリスタル)、12%程度以下のものをセミクリスタルと呼ぶ。一般的には鉛の含有量が上がるほど光の透明度や屈折率が高くなり、また比重が大きくなるとともに打音が澄んで余音を持つ。このため、特にワイングラスなど工芸用では酸化鉛が多いものが好まれる。しかし、その実現には、溶解・成形・徐冷・加工などの高度な製造技術や、鉄分など不純物の除去や他の混合物の配合など全体的な化学組成の調整が重要であり、一概に鉛の含有量が高ければ良いという訳ではない。なお、ハイテク機器におけるROHS指令に代表される鉛の使用を忌避する動き(クリスタルガラスを通常の使用条件で利用している限り、問題になる程の鉛成分溶出はないとされるが、製造過程・廃棄後の処理等・鉛逸散防止が重要視されている)から、チタン化合物やバリウム化合物のガラスへの添加により、屈折率や比重を既存のクリスタルガラスに近づけた「無鉛クリスタルガラス」も存在する。また、高品位の無色透明ガラスがクリスタルであると元来的に解釈して、光学ガラスをもってクリスタルと呼称し代替とする場合もある。