ステンレス鋼【JISによる分類】

ステンレス鋼について

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JISによる分類


JISによれば、ステンレス鋼は、その金属組織により次の5つに分類される。
  • マルテンサイト|マルテンサイト系ステンレス鋼 (martensitic stainless steels)
  • フェライト相|フェライト系ステンレス鋼 (ferritic stainless steels)
  • オーステナイト|オーステナイト系ステンレス鋼 (austenitic stainless steels)
  • オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼 (austenitic-ferritic stainless steels)
  • 析出硬化系ステンレス鋼 (precipitation hardening stainless steels)この内、炭素の少ないフェライト系および炭素の多いマルテンサイト系のステンレス鋼は一般に鉄(Fe)-クロム(Cr)合金のクロム鋼であり、オーステナイト系ステンレス鋼は鉄(Fe)-クロム(Cr)-ニッケル(Ni)合金のクロム-ニッケル鋼である。また、この他にオーステナイトとフェライトの二相組織を持つ二相ステンレス鋼や、析出硬化を利用して強度の向上を図った析出硬化系ステンレス鋼もある。ステンレス鋼として最も代表的なものは、オーステナイト系の18%クロム(Cr)8%ニッケル(Ni)の(18-8)ステンレス鋼である。JISで規定するステンレス鋼材料の規格票の例をいくつか示す。
  • JIS G4303-1998 ステンレス鋼棒
  • JIS G4304-1999 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
  • JIS G4305-1999 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯また、代表的なステンレス材料の成分を上記から一部引用する。なお、厚板・鋼管などのステンレス鋼でも、成分系は基本的に薄板と同じである。規格名の後ろに「L」をつけることがある(SUS304Lなど)が、これは炭素量を極めて低く制御した鋼種であることを意味している。* SUS201(オーステナイト系)Ni (3.5〜5.5%)、Cr (16〜18%)、Mn (5.5〜7%)、N(0.25%以下)
  • SUS202(オーステナイト系)Ni (4〜6%)、Cr (17〜19%)、Mn (7.5〜10%)、N(0.25%以下)
  • SUS301(オーステナイト系)Ni (6〜8%)、Cr (16〜18%)
  • SUS302(オーステナイト系)Ni (8〜10%)、Cr (17〜19%)
  • SUS303(オーステナイト系)Ni (8〜10%)、Cr (17〜19%)、Mo(0.60%以下の添加ができる)
  • SUS304(オーステナイト系)Ni (8〜10.5%)、Cr (18〜20%)
  • SUS305(オーステナイト系)Ni (10.5〜13%)、Cr (17〜19%)
  • SUS316(オーステナイト系)Ni (10〜14%)、Cr (16〜18%)、Mo (2〜3%)
  • SUS317(オーステナイト系)Ni (11〜15%)、Cr (18〜20%)、Mo (3〜4%)
  • SUS329J1(オーステナイト・フェライト系)Ni (3〜6%)、Cr (23〜28%)、Mo (1〜3%)
  • SUS403(マルテンサイト系)Cr (11.5〜13%)
  • SUS420(マルテンサイト系)Cr (12〜14%)…炭素量によって細かく分類される
  • SUS405(フェライト系)Cr (11.5〜14.5%)、Al (0.1〜0.3%)
  • SUS430(フェライト系)Cr (16〜18%)
  • SUS430LX(フェライト系)Cr (16〜19%)、TiまたはNb (0.1〜1.0%)
  • SUS630(析出硬化系)Ni (3〜5%)、Cr (15〜17.5%)、Cu (3〜5%)、Nb (0.15〜0.45%)また、JIS規格品以外にも各メーカーの独自鋼種が数多く存在する。オーステナイト|オーステナイト系は非磁性体で低脆性がない。オーステナイト・フェライト系、フェライト相|フェライト系、マルテンサイト|マルテンサイト系、析出硬化系は磁性体(強磁性体)である。ただし、オーステナイト系ステンレスの一部は、加工を繰り返すことで組織がマルテンサイト化し、磁性を帯びることがある。ステンレス鋼の耐蝕性能は、基本的にCrの含有量で決定され、12-26%の範囲で含まれる。その他、Mo・Ti・Nbなどの添加元素も、耐蝕性の向上に寄与している。6-22%の範囲で含まれるNiも耐蝕性に貢献するが、オーステナイト相を固定化するのがもっとも重要な役割である。700℃前後の焼鈍し程度の加熱でクロム(Cr)が炭素(C)と結合して炭化物が粒界に析出することがあり、クロムの減少によって耐蝕性が損なわれることがある。これは粒界腐蝕と呼ばれ、ニオブ(Nb)やチタン(Ti)が少量添加されていれば、クロムの前にニオブやチタンが炭化物となるために粒界腐蝕を起こさずに耐蝕性が保たれる。このようなステンレスは安定型ステンレス・スチールと呼ばれる。日本工業規格|JIS G 0203「鉄鋼用語」の定義によれば、ステンレス・スチールは鉄に約10.5%以上のクロムを含ませた合金を指し、しばしばニッケルも含まれるとされている。

    Quotation:Wikipedia - Article - History  License:GFDL

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