特徴
ステンレス鋼は、含有するクロム(Cr)が空気中で酸素と結合して表面に不動態皮膜を形成しており、耐蝕性が高い。ステンレス鋼が作る不動態皮膜は5nm程のごく薄いクロムの水和オキシ酸化物CrO
x(OH)
2-x・nH
2Oが主体で構成されている。クロムが作る不動態皮膜は硝酸(HNO3)のような酸化性の酸に対しては大きな耐蝕性を示すが、硫酸(H2SO4 )や塩酸(HCl)のような非酸化性の酸に対しては耐蝕性が劣る。このため、ニッケル(Ni)を8%以上加えて非酸化性の酸にも耐蝕性を高めている
。オーステナイト系ステンレス鋼は非磁性であるが、フェライトになると磁性を備える。マルテンサイト系ステンレス鋼は強度と共に耐摩擦性が高いが耐蝕性が少し劣る。オーステナイト系ステンレス鋼は、塩化物を含む高温高圧環境に曝されると水素脆化による応力腐蝕割れを起こすことがある
[徳田昌則他著 『金属の科学』 ナツメ社 2005年12月28日初版発行 ISBN 4816340408]。