用途
金属チタンは強度、軽さ、耐蝕性、耐熱性を備え、様々な分野で活用されている。しかし、精錬や加工が難しく費用がかかるため、身近に広く用いられるには至っていない。化合物では二酸化チタンが白色顔料として広く用いられ、日常でも接する機会が多い。
金属素材
チタン、あるいはチタンのアルミニウムや銅、鉄、マンガン、モリブデンなどとの合金の持つ、強度、軽さ、並外れた耐蝕性、高温に耐えるといった性質から、戦闘機や旅客機などの航空機分野、自動車、潜水艦の耐圧殻、ロケットやミサイル、スプーン・フォーク、中華鍋、印鑑、眼鏡のツル、時計のバンド、フライパン、ゴルフクラブ、自転車のフレームなど多岐にわたって使用されるほか、鉄鋼合金との脱酸剤や、ステンレス鋼において炭素含有量を減少させる目的などにも使用される。加工性にはやや難がある。金属チタンを用いた部品は高価なものとなってしまうため、その用途は、他に代用できない場合や、ひたすら高性能を求められる場合、趣味分野などに限られる。近年までは、超音速戦闘機のような特に限られた用途でしか用いられていなかった。超音速機は大気との摩擦熱が大きく、構造材にも耐熱性が求められるが、アルミニウム合金は耐熱性が小さく、スチールは重量が大きく、耐熱性に優れ軽量な素材の導入が急務であった。世界最初の実用超音速戦闘機であるF-100 (戦闘機)|F-100の生産においては、当時のアメリカのチタン生産量の80%以上を消費したと言われる。
絵具
チタンの約95%は二酸化チタンとして、主に白色の顔料として絵具や合成樹脂などに使用される。ちなみに、二酸化チタンで作られた絵具は赤外線の反射率が高いため、屋外での絵画の描写に向いているほか、セメントなどにも使用されることもある。また、光触媒としての性質を持ち、光を吸収して有機物を分解する。この性質によって、光のあたる場所では有機物による汚れが分解される為に白さが長く保たれるが、逆に、有機系の色素や合成樹脂を分解してしまうためにこれらと混ぜて利用する事を難しくしている。
紙
二酸化チタンは、紙に織り込むという方法でも使用される。チタンを織り込むことで、白く丈夫で透けない良質の紙を作ることが可能となる。一方で、僅かながら重くなる。広辞苑など、長期に亘って使用される分厚い書籍に利用されるようになっている。
その他
また、他にも以下の用途に使用されている。
海水への耐蝕性から、海水の淡水化プラントにおける熱交換器での利用。
骨と結合する性質をもち、優れた機械的性質、生体組織との親和性の高さを兼ね備えることによる、デンタルインプラントや人工関節/人工骨といった整形外科分野での利用
イオン化しにくいために金属アレルギーを引き起こしにくく、ピアスなどの装身具の材料として利用される。
チタンジルコニウム合金の刃物として利用。この合金は軽量でさびにくく高強度である。
形状記憶合金の材料としての利用。
ニオブなどとの合金による超伝導素材。
チタン酸バリウムあるいはチタン酸ストロンチウムは、その高誘電率により電子材料(積層セラミックコンデンサ)に用いられる。
チタン酸ストロンチウムは高屈折材料として人工宝石や光学材料に用いられる。
四塩化チタンはガラスの着色や、高湿度の空気中で発煙する性質を利用して煙幕や空中文字へ利用される。
二酸化チタンの皮膚を保護する性質から日焼け止め剤としての利用される。
二酸化チタンは光触媒作用により有機物を分解するため、トイレの表面に利用される。上記の他にも、触媒としての利用やビルバオ・グッゲンハイム美術館、セリトス市|セリトス図書館などのような建築物にも使用されている。