製法
セルロースを水酸化ナトリウムで処理すると、セルロースの6位のヒドロキシル基がナトリウム塩となったアルカリセルロースとなる。* [C
6H
7O
2(OH)
3]
n + nNaOH → [C
6H
7O
2(OH)
2(ONa)]
n + nH
2Oそれを二硫化炭素と混合して放置すると、セルロースキサントゲン酸ナトリウムになって分子間の水素結合を失い、溶解してコロイド溶液となる。* [C
6H
7O
2(OH)
2(ONa)]
n + nCS
2 → [C
6H
7O
2(OH)
2(OCSSNa)]
nこれは名前の通り黄色(キサントxanthoはギリシャ語で『黄色』の意)の粘い液体である。これをビスコース(viscous ヴィスカスと発音し、粘いという意 + -ose 糖を表す語尾からなる造語)と呼んだ。最終的に赤褐色の粘性のあるコロイドとなる。ビスコースを細い穴から希硫酸中に噴出させて湿式紡糸すればセルロースキサントゲン酸ナトリウムはセルロースに戻って分子間の水素結合により繊維として再生する。* 2[C
6H
7O
2(OH)
2(OCSSNa)]
n + nH
2SO
4 → 2[C
6H
7O
2(OH)
3]
n + 2nCS
2 + nNa
2SO
4 これがビスコースレーヨンであり、細い隙間から押し出してフィルム状の製品にするとセロファンになる。いずれも化学的には天然のセルロースと同じものであり、土中、水中で微生物により分解され環境負荷の少ないものとして評価されている。タバコの包み紙としてセロファンが用いられるのはこのような理由による。