用途
前述のとおり、銅は古代から人類とのかかわりが大きく、現代でも鉄に次ぐ最も重要な金属材料といえる。現在、銅の用途の大部分は工業をはじめあらゆる分野においての電気器具の配線、部品、回路などにある。これは銅が他の金属とくらべ高い電気伝導性を持つことと、銅以上の電気伝導性を持つ物質(銀など)と比べた際にコストが格段に安いことから使われている。また、他の金属の電気伝導性をはかる国際基準としても使われる。銅は、銅線や銅版などの形で身近に見ることができる数少ない単体金属である。帆船の船底銅包板としてフナクイムシから船体をまもる為に使われた時期もある。合金の用途も広い。貨幣に使われる白銅はニッケルとの合金であり、アルミとの合金のアルミ銅は延性に富んだ黄金色であるため金箔の代わりとして使われるなどしている。銅と亜鉛を合金させたものを一般に黄銅とよび、亜鉛の含有率を変化させることで、連続的に色彩が変化し融点が低下する。金管楽器や仏具などに使われる真鍮は黄銅の一つである。真鍮は錆びにくく、色が黄金色で美しいことから模造金や装飾具などとしてもよく見かける金属である。古代から武器や通貨などとして用いられた青銅はスズと銅の合金であり、現在でもブロンズ像など、彫刻の材料である。しかし、最近では「青銅」という呼び名は変化してきており、一定以上のスズを含んでいるその他の銅合金や青銅と似たような色や結晶構造をもつような鋳造用合金の総称としても用いられる。青銅や黄銅と呼ばれる銅合金で代表的なものには、光輝黄銅・工業用青銅・赤色黄銅・ジュエリー青銅・低濃度黄銅・カートリッジ黄銅・黄色黄銅・ムンツメタル・鉛黄銅・リン青銅・シリコン青銅・アルミニウム青銅・洋白|洋銀(洋白)・キュブロニッケルなどがあり、その性質は様々で利用分野においても簡単に分別できないほど多岐にわたっている。
また、主な工業用の合金として、高純度銅合金や純銅と呼ばれる極めて高い純度の銅にごくわずかな添加物を加えた合金がある。代表的な高純度銅合金にはカドミウム銅・クロム銅・テリウム銅・ベリリウム銅などがあり、工業的に用いられる純銅は電解タフピッチ銅・脱酸銅・無酸素銅・銀含有銅・ヒ素銅・快削銅などで、機械工業をはじめとした分野で利用される。銅は化合物または触媒としても用途が広く、代表的な銅の化合物としてはアセトヒ素銅・塩化銅・酢酸銅・酸化銅・シアン化銅・水酸化銅(II)・水素銅ヨウ化銅・硫酸銅 などがあり、各種触媒や、防腐剤、殺虫剤、顔料などに用いられている。