EPS
最も古くからある発泡スチロール素材であり、また様々な用途に利用され、一般でも良く見かけられる素材である。割ると小さな粒が集まって固まったように見えるが、これらはその各々が「ビーズ」と呼ばれる小さなポリスチレンの粒を発泡させたものである。
製法
ビーズ法発泡スチロール (EPS) は、ポリスチレンを、主にブタン・ペンタンなどの炭化水素気体|ガスで発泡させて製造される。具体的には、直径1mm程度の細粒状ポリスチレンであるポリスチレンビーズに炭化水素ガスを吸収させ、これに100摂氏温度|℃以上の高温水蒸気|蒸気を当てて樹脂を軟化させると共に圧力を加えて発泡させる。発泡したビーズ同士は融着し合い、冷却時に様々な形状となって発泡スチロールとなる。EPSの発泡率(発泡過程で膨張する割合)は約50倍である。発泡後は、容積の95〜98%が炭化水素ガスである。
歴史
1950年にドイツで発明され、日本では1959年より生産が始まった。
加工
ポリスチレンは耐熱温度が約80〜90℃なので、それ以上加熱すると軟化・融解する。ほとんどのEPSは、発泡時に金型内で加熱成型され、最終製品か、汎用の板材などに加工される。軟らかく、熱で容易に融けるため、汎用の製品は刃物や電熱線で切削して、任意の形に加工される。ビーズを発泡させただけで、成型・切削をまったくしない製品もあり、やはりポリスチレンビーズと呼ぶ。
利用
断熱性・耐水性に優れ軽量なので、魚介類(後に一部の農産物も)の輸送にこれで製造された箱(トロ箱)が利用されたほか、軽量で衝撃吸収性に優れるため、精密機械等の梱包材として普及した。日本では年間20万トン近くが生産され、その過半数〜6割が容器として利用され、3割が緩衝材として、残りが建材や海などに於けるフロート(ブイや生簀の浮き)等に利用されている。希望の形状に一体成型できるため、緩衝素材や保温・保冷箱などといった所定の形状を持つ製品に加工される。断熱性に優れ、加工が容易で、これに加えて耐水性が高いのでクーラーボックスなどの構造材としても利用され、内面と外面の間にこの素材が用いられた製品があるほか、安価な物では発泡スチロールそのものを圧縮整形したクーラーボックスもある。発泡させたポリスチレンビーズは、安価な緩衝材として、布袋等に詰めてクッションなどの家具(ビーズクッション)にしたり、精密機器輸送用の充填用梱包材に使われる。加工がし易く軽量で一定の強度を持つことから、軽量化を必要とする装置のモノコック|モノコック構造の構造材などにも利用される。例えば玩具ではあるがエアロソアラのような模型飛行機(またはラジコン飛行機)にも使用されることがある。