製材
山から伐り出した原木を丸太の状態で利用する事は少ないので、通常は皮を剥がし角材や板材を切り出す作業を行う。古くは木挽き職人と呼ばれる技能者が個々の原木の性質を見極めながら製材をしていた。同じ原木を製材しても職人の腕一つで材木の品質や歩留まりなどが大きく左右されたので、木挽き職人は高度な技術が必要とされる仕事であった。現在は機械的な大量生産になっているので、職人による高度な製材技術は期待できない。
心材と辺材
木材の中心に近い部分を心材(しんざい)または赤身(あかみ)、樹皮に近い外側の部分を辺材(へんざい)または白太(しらた)という。赤身、白太という呼び名は中心部が赤っぽい色をしており、外辺部が白っぽい色をしているためである。ただし、木の種類によっては中心部と外辺部で色の違いがなく、芯材と辺材の区別がほとんど出来ないものもある。木は生き物であるため新陳代謝を繰り返し成長を続けている。生物としての木が活発な新陳代謝をしている部分が外辺の辺材部分(厳密には表皮と隣接する数層、形成層と呼ばれる)で、細胞が死んで新陳代謝を終えた部分が中心に近い心材となる。辺材は生命活動を行う必要性から栄養分や水分が多いので腐りやすくシロアリなどの害虫にも弱い。心材は辺材に比べると強度的には劣るが、フェノール類などの抽出成分を含んでいるため耐朽性にも優れているので、外構用部材などにはよく用いられている。建物の構造材としては心材を含んだ角材が利用されるが、変形が大きいので、十分に乾燥した材を用いることが求められている。
年輪と木目
早材と晩材
早材とは一年輪のうち春の成長が盛んな頃に形成される細胞で春材とも呼ばれる。細胞壁は薄く、細胞の直径は大きく密度は小さい。晩材とは夏頃に形成される細胞で夏材とも呼ばれる。細胞壁は厚く、細胞の直径は小さく密度は早材に比べて大きい。肉眼で見た場合、濃く見えるのが晩材部である。
板取り
の杢
原木から板を切り出す場合、年輪の目に対してどのような角度で切り出すかによって、板表面の木目が異なってくる。また、切り出しの角度は木目のみならず、板の強度などにも影響を与える。
柾目(まさめ、正目)
: 年輪の目を断ち切るように年輪に対し直角に近い角度で切り出した板の表面に現れる木目を柾目と呼ぶ。冬目と夏目が交互にほぼ平行に現れ、きれいに揃った縞模様となる。収縮や変形が少ないが、水分を透過させやすい。柾目の板は原木から20 - 30%程度しかとれず歩留まりが悪いので高価である。
板目(いため)
: 年輪の目に沿うように接線方向に切り出した板の表面に現れる木目を板目と呼ぶ。木目は柾目のように整った縞模様とはならず、不規則な曲線模様となる。板目の板には裏表があり、切り出しの際に外辺部側に面していた方が表面、中心部側に面いていた方が裏面となる。木材の切断面を指す意味の「木口」の年輪の模様を見るとカタカナの「ハ」の字状に目が走っているが、ハの字の狭い方が表、広い方が裏となる。板目の板では水分の吸い込み易さの指標である吸水率が表側と裏側で異なり、長い年月を経ると必ず収縮・変形し易い性質があり、木材には反りが生じる。年輪の目が詰まった冬目が板の厚さ方向に複数重なっているため水を透過させづらい性質を持つ。この性質を利用して液体を貯蔵する樽などには必ず板目の板が利用される。
杢(もく)
: 原木の瘤の部分などを切り出したときに稀に現れる柾目とも板目とも異なる特殊な模様の木目。希少価値があり珍重される。
(:en:Figure (wood)|英語版による解説)